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国民生活センター、「不動産サブリース問題」特集

国民生活センターが発行する『月刊国民生活』の2014年8月号に不動産サブリース問題が特集されています。

もともと不動産サブリースには多くの問題点が指摘されています。サブリース契約とは、基本的に不動産会社がお客様所有の物件を借上げ、不動産会社が貸主となり入居者に転貸する契約を意味します。正確にはお客様と不動産会社との契約はマスターリース契約となりますが、一般的にサブリースと表現されています。またサブリース契約の内容は不動産会社により様々ですが、おおむね一括借上(10年・20年・30年と長期)、空室保証、滞納保証となり、要約すれば「家賃保証」となります。NS0-505 しかし「安心」と「安定」を強調するサブリースには、以下のような問題点もありますので注意が必要です。

・サブリース対象物件には受託条件があり、例えば新築10年以内、駅10分以内、一定の需要エリア限定など、不動産会社が空室リスクを負わない物件に限られており、全ての物件が対象ではありません。

 

・借上賃料は不動産会社査定額の85パーセントから90パーセントが一般的ですが、そもそもの査定賃料が相場よりも安い場合が多く、査定額、借上比率共に不明朗さが目立ちます。

 

・長期一括借上保証(20年・30年)、実は途中で賃料見直しが可能です。契約書に賃料保証額の減額ができない旨が明記されていたとしても、民法上経済変動等により不相応となった場合は減額できます。

 

(最高裁判決:借地借家法32条1項の適用を受け、サブリース会社の賃料減額請求権を認めています)

 
このように不動産会社(サブリース会社)は常にリスクを回避し、一般的な管理委託契約よりも高い報酬を長期間拘束して得ることとなります
特集は以下の構成になっています。国民生活センターのサイトからPDFでダウンロード可能です。
1 不動産サブリースの問題点【執筆者】三浦 直樹(弁護士)
2 事例から見る不動産サブリース被害【執筆者】川本 真聖(弁護士)
3 不動産サブリースのしくみ-管理・原契約を中心に-【執筆者】長井 和夫(公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 総合研究所 主任相談員)

建物が古くなったり、競合物件が乱立するなどして新規募集が困難になると、入居者募集のためとして家賃の切り下げを求められるようになり、さらには建物のメンテナンス費用、og0-093 とりわけ 10年後以降の大規模修繕費用がかさむなどして、高い家賃と入居率を前提にしていた収支計画は途端に行き詰まるようになります。

サブリースにはメリットもあります。物棟の経営状態が透明化していれば、様々な打つ手があります。その意味でも、オーナーは不動産会計サービスで物棟単位の会計情報や建物メンテ履歴をしっかりと管理しておくことが必要になります。

By |7月 14th, 2015|プロパティマネジメント, 不動産会計|0 Comments

上海市場の暴落が不動産マーケットに及ぼす影響は?

2015年7月8日。
中国上海総合指数 は7%安と大幅続落して始まり、一時下落率は8%超と2007年以来の大幅な下げを記録。
中国本土の証券取引所上場株の少なくとも1323銘柄、時価総額全体の約4割の取引が停止されています。
https://www.real4exam.com/1Z0-562.html
中国政府当局の懸命なテコ入れ策にも関わらず、フリーフォール状態です。

中国の全国乗用車市場情報連合会が8日に発表した6月の乗用車販売台数は、前年同月比3.2%減の143万台と約2年ぶりに前年水準を割れた。一昨年からゴースト城などと言われてきた中国の不動産マーケットにも多大な影響を及ぼしそうです。

今後中国の不動産市場が下がり始めたら、中国政府は株式市場を支えるだけでなく、不動産市場や銀行も支える必要が出ます。https://www.real4exam.com/1Z0-900.html 中国が日本をはじめ海外で不動産を買い漁っていたのも、過去の話になるでしょう。
昨今の都心のタワーマンションの爆買い(実質的に15-20%が中華系と言われていました)が消失すると、大変な影響が出てくると思われます。

By |7月 8th, 2015|アセットマネジメント|0 Comments

白色申告記帳義務化の認知度アンケート

平成26年1月1日から、白色申告においても全ての人に「記帳と帳簿類の保存」が義務化されました。ワンルームマンションなど区分所有のみ保有のオーナー様も対象になります。
これまでは、白色申告で前々年分または前年分の不動産所得が300万円以下の場合は、記帳や帳簿類の保存の義務はありませんでした。しかし、これからは義務となります。

クラウド会計ソフトfreeeの調査(2015.01.08)によると、この記帳義務化について知っている白色申告予定者は、54% にとどまることが本調査より明らかになりました。freeeの調査対象はインターネットユーザーであることから、不動産オーナーに限定して考えると、認知度は20%程度ではないかと推察されます。不動産オーナー様の中にはPCがなく、メールアドレスもないという方も結構いらっしゃいますので。

 
平成 26 年度からの白色申告の記帳義務化を知っていた白色申告者は約 54%。実際に青色申告に移行した人は 3%にとどまる
今年 2 ~ 3 月に提出される平成 26 年度の確定申告より、すべての白色申告者の記帳(※1)が義務化されました。対象となる白色申告者に「記帳義務化について知っているか」を調査したところ、知っていたのは約半数の 54%にとどまりました
保存については帳簿(法定帳簿)が7年、請求書や領収書などの書類が5年です。
中には自分は白色申告で規模も小さいから帳簿付けも必要ないと思っているオーナーもいるかもしれませんが、注意が必要です。
保存については帳簿(法定帳簿)が7年、請求書や領収書などの書類が5年です。
中には自分は白色申告で規模も小さいから帳簿付けも必要ないと思っているオーナーもいるかもしれませんが、注意が必要です。

白色申告の記帳義務化対応について、不動産管理会社もまだ知らないというケースもあるようです。

クラウド不動産会計サービスでは記帳代行、確定申告サポートまで一括してご提供しております。マイナンバー、資産課税強化への対応として是非ご検討ください。

 

By |6月 22nd, 2015|不動産会計, 確定申告|0 Comments

[PropertyMaster]新機能のご紹介:収支データ連携書類管理システム

オーナー様ご安心。3年前のあの領収書も手元データで即確認可!
平成26年1月から記帳・帳簿等の保存制度の対象者が拡大され、基本的に全ての不動産オーナーが帳簿(任意帳簿可)7年、書類(請求書・領収書等)5年の保存が義務化されました。
業務に関して作成し、又は受領した請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。
収支データに関連する書類をアップロードするだけでDB化
本サービスでは、PropertyMasterの機能を活用し、収支データに連携し、税務上の証憑書類等を各年各月・各物棟・各区画・各設備単位で一元管理し、保存することが可能です。
オーナー様だけでなく管理会社様も文書・書類管理システムとしてもご活用いただけます。
3年前のあの修繕も即検索可。義務化に対応すべきこの機会に是非ご活用ください。
詳しくはお問合せください。

By |6月 16th, 2015|不動産会計, 未分類|0 Comments

空き家大幅増加懸念。2022年問題とは

ネットメディア「現代ビジネス」に6月8日掲載された記事は、昨今課題になっている空き家問題が更に悪化。都市に眠る時限爆弾として「2022年問題」になるとのレポートだった。

全国の市街地にはいまだ96万戸、東京都には26万戸分もの住宅用地が眠っており、これらの多くが東京オリンピック後の2022年に一斉に市場放出される可能性がある。そこに新築マンションや一戸建てが建設されれば、すでに全国で820万戸ある空き家が大幅に増大する可能性が高い。これが住宅市場の「2022年問題」である。

どうして2022年問題だ空き家大幅増加とつながるのか詳しく見ていくと、
1992年の生産緑地法改正によって、都市部の農地であっても、固定資産税は農地並みに軽減され、また相続税の納税猶予が受けられる「生産緑地制度」が適用された。しかし、1992年に最初の指定を受けて30年が経過する2022年以降、一斉に「生産緑地」への固定資産税が宅地並みになる。
そうなると固定資産税が跳ね上がるため所有者は土地を維持できず、市場に売りに出すだろう。
固定資産税や相続税評価額が下がるとして、土地オーナーに賃貸住宅を提案するデベロッパーやハウスメーカーも2022年の生産緑地指定解除を絶好の商機として虎視眈々と狙っているとのこと。
こうして、更にアパート供給が進み、結果として空き家が大幅増になるというわけである。

税制が歪める日本の住宅市場。この2022年問題においても積極的な解決策はなされず、都市部農地が固定資産税対策、相続税対策として膨大なアパート建築の山となる可能性が高い。

生産緑地とは
市街化区域内にある農地や山林で、都市計画によって指定された生産緑地地区内のものをいう。 生産緑地地区として指定できるのは、市街化区域内にある一団の農地等で、 1.公害または災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、公共施設等の敷地の用に供する土地として適している 2.500平方メートル以上の規模の区域である 3.用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められる という3つの条件を備えた区域である。 生産緑地は農地等として管理されなければならず(営農の継続義務)、生産緑地地区内では、建築物等の新改築、宅地造成などについて市長村長の許可を受けなければならない。そして原則として、農林漁業を営むために必要な建築や造成等でなければ許可されない。 一方で、生産緑地は、税制上の優遇措置(市街化区域内の土地であっても一定の条件を満たせば農地とみなして課税されるなど)が適用される。 また、生産緑地における農林漁業の主たる従事者が死亡等の理由で従事することができなくなった場合、または、生産緑地として定められてから30年が経過した場合には、市町村長に買い取りを申し出ることができる。そして、申し出てから3ヵ月以内に所有権の移転がない場合には、行為制限が解除される(実質的に生産緑地としての役割を失う)。 なお、多くの生産緑地は、2022年から買い取りの申し出が可能となる。

By |6月 11th, 2015|税制|0 Comments

参考図書「帳簿の世界史」ジェイコブ・ソール

「権力とは財布を握っていることである」
アダム・スミス、カール・マルクス、マックス・ウェーバー……。彼らが口を揃えて主張していた「帳簿」の力とは、一体何なのか。これまでの歴史家たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、会計と歴史のプロフェッショナルが初めて紐解く。

・なぜスペイン帝国は栄え、没落したのか。
・なぜフランス革命は起きたのか。
・なぜアメリカ独立は成功したのか。
・なぜ日本は急速に列強へ追いつくことができたのか。

本書によれば、
中世イタリアに始まった複式簿記、それがオランダにわたり繁栄の基礎となり、一定期間を区切って損益を計算する期間損益計算の考えが生まれる。
さらに、フランスでは、財政に会計を取り入れ、ネッケルというルイ14世の財務大臣が国家財政を記録した会計報告を世間に公表し、これがあのフランス革命につながっていく。
また、アメリカでは鉄道が急発展し、これとともに粉飾決算も横行その反省として、公認会計士制度が生まれる。

本書では、意外な人物と会計との関わりも紹介される。
ダーウィンは会計の知識を持ち複式簿記の発想が「種の起源」の記述にも見られるという。
また、科学的管理法を編み出したテイラーも生産管理戦略を会計の観点から考えたものであるとする。

700年近くに及ぶ会計の歴史を振り返ることで見えてくるのは、会計が単に商取 引の一部ではなく文化の中に組み込まれていた時、社会は必ず繁栄するという事実である。ルネサンス期のイタリア都市ジェノヴァやフィレンツェ。黄金時代の オランダ。18世紀から19世紀にかけてのイギリスとアメリカ。本書では随所に各時代の絵画が挿しこまれており、会計士の描かれ方からもその時代の有り様 を伺い知ることできる。

不動産会計にも示唆に富む図書である。

By |6月 8th, 2015|不動産会計, 会計・経理処理|0 Comments

日経連載「税が惑わす日本のかたち」がスタート

6月1日(月)の日経一面でどーんと掲載が始まったのが、税金考「税が惑わす日本のかたち」です。
一文目から、
税金が静かに日本をゆがめている。時代にあわない税が暮らしや企業を惑わし課税の公平も揺らぐ

、との書き出しです。

これは期待できそうな連載です。
日頃よりタワーマンションによる節税ブームに懸念を持っていましたが、ちゃんと書かれていました。
以下引用です。
窓の外ははるか神戸の夜景まで見渡せる。ここは大阪市天王寺区のタワーマンション、夕陽丘イクス。高層階の3LDKに家族4人で住む太田浩さん(仮名)が5000万円のこの物件に目をつけたのは「相続節税に使える」ためだった。
物件は67歳の父親が所有する。タワーマンションは高層階になるほど課税評価額が低く、太田さんの物件はわずか1400万円。美しい夜景と1000万円の相続節税効果に太田さんは「申し分ない」と笑う。
1月から始まった相続増税が生んだ特需に住宅市場が沸いている。大阪府内の人口は減り始め空き家も増えているのに、節税効果の大きいタワーマンションは10棟近くの計画が進む。合理的なのだろうか。
(中略)
人口が減り始めた日本では世帯数ももうすぐ減少に転じる。「節税狙いの住宅投資は本人には合理的だが日本経済で見れば壮大な無駄を生む」と小峰隆夫法政大学大学院教授は言う。ここにも税が日本を惑わす新たな光景が広がっている。

引用終わり。

マンションの相続税評価額は、同じ面積なら、高層階の方が有利になる現状をうまく活用しているのがタワマン節税です。すなわち、高層のタワーマンションほど土地の持ち分は小さくなり、また同じタワーマンションであっても面積が同じ部屋であれば同じ相続税評価額となります。一方、市場価格は高層階の方が低層階より高いため、結果としてタワーマンションの高層階は節税しつつ資産価値をキープすることが出来るというわけです。この対策を取ると、最高税率の方などは購入価格の4割程の現金(例:1億円の購入なら4000万円)を節税したことになります。
日経記事が触れているように、このタワマン節税策は日本を惑わす歪みです。その歪みにより実際に東京都心のタワーマンションは大変な勢いで販売されています。
さて、この歪みはいつまで続くことになるのでしょうか?

By |6月 1st, 2015|不動産会計, 金融政策|0 Comments

株の納税、マイナンバーで。不動産オーナーへの影響は?

今朝の日経1面トップ記事は、個人がマイナンバーを使って株式の配当や売却益の納税手続きを簡単にできるようにするとの記事です。不動産オーナーにとっては、資産課税強化の流れの中で注視すべき動向です。

株の納税、マイナンバーで 配当など申告簡単に
2015/5/29 2:01日本経済新聞
政府は日本に住むすべての人に割り当てる社会保障と税の共通番号(マイナンバー)の利用範囲を広げる。個人がマイナンバーを使って株式の配当や売却益の納税手続きを簡単にできるようにする。マイナンバーカードを健康保険証としても使えるようにする。人々が日常的にマイナンバーを使うことで公共サービスを効率化し、歳出の抑制につなげる狙いだ。
29日に開く産業競争力会議(議長・安部晋三首相)で推進策をまとめる。マイナンバーは国や自治体が税や社会保障、災害対策の3分野で個人情報を一元的に管理する制度。番号で個人情報を管理されることには国民の不安も根強い。利便性を高め、普及を促す。
第一段階として2017年から行政手続きの本人確認に使うことは関連法が成立し、確定している。今年10月から番号を割り当て、16年から番号を記載した個人番号カードを配る。役所の窓口で番号を伝えれば他の身分証明書の提示は不要になる。個人がインターネット上で自分の番号の付いた専用ページ「マイナポータル」を開き、保険料や税の収納記録を確認できる。
第二段階として、18年から銀行口座を持つ人に番号を任意で登録してもらう方針も決まっている。これは通常国会で関連法案を審議中だ。
政府が今回まとめるのは第三段階の改革案だ。18年にも戸籍などの関連法を改正して、順次、実施する。

資産課税強化の動きの中で、マイナンバーが不動産オーナーにどのような影響を与えるのか注視していく必要があると思われます。
クラウド不動産会計サービスを通して、日頃からきちんとした帳簿付けを行い、毎年、しっかりとした確定申告を行うことがより重要になってくるといえるでしょう。

[PropertyMaster]新機能のご紹介

大手管理会社様を中心にご要望の強かった建物メンテ報告の一元化、履歴DB化を実現
本日は弊社クラウドサービスの新機能のご紹介です。

新築中心から中古住宅流通が重要視されていく趨勢において、国も各種の流通促進施策、金融スキーム、広告表示規制などを打ち出しています。https://www.real4exam.com/1Z0-926.html
こうした中、賃貸住宅においても建物管理・建物メンテの重要性、必要性が高まっています。
PropertyMasterの新機能においては、建物メンテに関わる全てのデータを一元管理。https://www.real4exam.com/1Z0-932.html クレーム、修繕・補修、定期清掃、法定点検、原状回復などの建物メンテナンス報告をオーナー様に行い、その上でオーナー-物棟-区画と建物メンテ報告をDB化し、メンテ履歴DBを構築いたします*。

建物管理の重要性が高まる中、本サービスをご利用いただくことで本格的な建物管理サービスを展開頂くことが可能になります。
詳しくはお問合せください。

By |5月 27th, 2015|プロパティマネジメント, 未分類|0 Comments

マイナンバー開始で徴税強化

個人に12 ケタの番号を割り振る「マイナンバー」の通知が、今年10月からいよいよスタートする。実際に社会保険と税制、災害対策の3分野で利用が始まるのは来年1月からだが、すでに今国会で利用範囲を拡大する法改正が審議されている。その一つが、預貯金口座へのマイナンバーのひも付けだ。預貯金口座がマイナンバーで管理されるようになると、税務調査はどう変わるのか──。
 

◇「遠隔地預金」も判明

202X年。東京都で代々地主の家系の男性Aさんが85歳で亡くなった。Aさんは複数の賃貸マンションを持ち、土地・建物などを含め財産の相続税評価額は3億円。Aさんの妻(80)と長男(55)、長女(52)の相続人3人で慌ただしく相続税を申告・納税し、1年ほどがたったある日。申告を依頼した税理士から妻の元へ「税務署がご自宅におじゃましたいと連絡がありました」と電話がかかってきた。税務調査の始まりだ。

その約2週間後、Aさんの自宅へ相続税担当の国税調査官2人が訪ねてきた。国税調査官の1人が妻に、生前のAさんの生活状況などについての簡単な質問をし、Aさんからの生前贈与などはなかったことを確認した後、手元の書類を見ながらおもむろに切り出す。調査官「ところで、奥さまは東北地方の△△銀行○○支店に口座をお持ちではないですか」

妻「ええ、確かに口座はありますけれど……」

△△銀行○○支店は妻の出身地から少し離れた場所にある。妻が友人に頼まれ、かなり昔に開設した口座だ。

調査官「その口座の通帳と印鑑を見せてください」

しぶしぶ妻が席を立ち、通帳と印鑑を別の部屋へ取りに行く。国税調査官もその後を付いていく。妻が引き出しの奥から取り出した通帳で、調査官が残高を確認すると約3000万円あった。妻はAさんと結婚以来、専業主婦のはず。調査官の追及が始まる。

調査官「なぜ、これほどの残高があるのですか」

妻「夫の仕事を手伝った時にもらったり、渡された生活費をためた現金です」

調査官「過去に贈与を申告した事実がなく、お金の出所がAさんなら、名義が奥さまでもAさんの相続財産になりますね。つまり、申告漏れということです」──。

Aさんの妻と子2人は、国税側の指摘に沿って後日、修正申告。追加の相続税450万円と過少申告加算税(10%)、延滞税計80万円を収めることになった。Aさんの妻のような、実質的に亡くなった人の預金にもかかわらず別名義となっている「名義預金」は、相続税の重点的な調査対象になっている。

それでは、調査官はどうして、△△銀行の口座の存在をあらかじめ把握できたのか。その手がかりとなったのがマイナンバーだ。妻のような自宅から離れた銀行に持つ口座は「遠隔地預金」と呼ばれ、税務調査でも把握が難しかった。しかし、預貯金口座にマイナンバーが付されれば、マイナンバーを通して各地の銀行に照会をかけられるようになる。

これまでの相続税の税務調査では、相続人の確定申告書などのほか、相続人の自宅近くの銀行に照会することで口座の存在を把握。それでも分からない場合は相続人の自宅を調査して、家計簿などからその手がかりを見つけてきた。元国税調査官の武田秀和税理士は「マイナンバーによって調査の手間が省け、遠隔地預金はかなり見つけやすくなるのではないか」と話す。

By |5月 25th, 2015|未分類|0 Comments